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小原 祥裕
Review of Scientific Instruments, 69(2), p.908 - 913, 1998/02
被引用回数:9 パーセンタイル:58.46(Instruments & Instrumentation)近年における大出力イオン源開発の進展と核融合研究において果たしてきた役割について述べる。トカマク方式の大型核融合実験装置のために、ビーム出力が数MW級の大出力イオン源が開発された。プラズマの閉じ込めを改善した多極ラインカプス磁場方式により、低ガス圧で高プロトン比のビームを広い領域から一様に生成することが可能となり、本方式のイオン源を用いたプラズマ加熱により、臨界プラズマ条件の実現などが可能となった。一方、ITER等次期装置へ向けた大出力負イオン源の開発においても大きな進展をみた。従来の正イオン源技術をもとにセシウム導入型の体積生成方式負イオン源が開発され、400keVで5MW級の重水素負イオンビームが得られるなど実用レベルに至った。大出力負イオン源の開発は、ITERへ向けたプラズマ加熱・電流駆動装置の実現へ向けて着実に進展しており、ITERでの役割が期待されている。
小栗 英知; 水本 元治; 草野 譲一; 長谷川 和男; 大内 伸夫; 金正 倫計; 奥村 義和; 戸内 豊*
Proceedings of 6th European Particle Accelerator Conference (EPAC98) (CD-ROM), p.749 - 751, 1998/01
原研では中性子科学研究計画の一環として、ビームパワー8MWの大強度陽子リニアックの建設を計画している。現在、陽子リニアックの入射部に相当する正イオン源とRFQを組み合わせたビーム試験を実施しており、ピークビーム電流80mA、デューティーファクター8%の2MeVビーム加速に成功している。また負水素イオン源の開発も進行中であり、正イオン源を改造した負イオン源にてアークパワー18KWに対し、5.5mAの負イオンビームを得ている。現在、本実験結果を基に、新しい負イオン源の設計、製作を行っている。
藻垣 和彦; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 渡邊 和弘; 小島 有志
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、JT-60Uのコイルを超伝導化するJT-60SAプロジェクトが2019年3月のファーストプラズマを目指して現在進行中である。JT-60SAでは、プラズマの主加熱装置である中性粒子入射加熱装置(以下NBI加熱装置)には、ビーム電流27.5A、パルス幅100秒の正イオンビームが要求されている。正イオンビームの入射実績としては、JT-60U実験運転において30秒入射の性能確認ができている。イオンビーム100秒生成に向けて、2005年に韓国と締結された、「核融合研究開発における研究に対する研究協定」を基に、韓国原子力研究所において、日本原子力研究開発機構の正イオン源と、韓国原子力研究所の試験装置を用いた共同実験による性能確認試験を行った。今回、正イオンビームの長パルス化に向けて、放電ガス圧の制御技術や、印加する加速電圧の配分を細かく制御するなど、長パルス運転手法を開発し、2MWのビームを100秒間生成することに成功した。本稿では、韓国原子力研究所で実施した長パルス引出試験について報告する。